shinboku

2022/11/03 16:39


ディレクターの能登です。
いよいよ11月。今年もあと2ヶ月を残すのみとなりました!

さて今日は杉の丸太のお話です。
バウムクーヘンみたいな美味しそうな色と模様をした杉の丸太。
切断面を見ると、中心部分の赤い場所と、周辺部分の白いが場所があるのが分かると思いますが、
これがそれぞれ赤身、白太と呼ばれる部分です。



樹木は樹皮の裏側が一番若く、中心に向けて徐々に古く、成熟した細胞になっていきますが、
この中心付近の赤い部分を「赤身」と呼び、古くから建築材や建具材、家具材として使われてきました。
赤身は樹木全体を支える背骨のような役割を担っており、硬さ、耐朽性、そして狂いにくい材質が特徴です。
また和風建築に馴染む温かみのある色彩が好まれ、かつて天然秋田杉の赤身材ともなると、立米単価が200万円を超える場合もありました。

一方「白太」は細胞分裂が活発に行われる若くみずみずしい細胞の集まりなので、建築材として使うには強度的に不安があり、
また樹皮のすぐ下のわずかな部分にしかないので まとまった量が取れにくいという難点がある反面、初雪のような無垢な
材の白さには目を見張るものがあります。

当社が素材として用いるのはこの白太、中でも一切赤身の混じらない「純白」と呼ばれるごくごく僅かな部分です。


(カードケース裏板)

どうでしょう、この白さ。そして美しい柾目。
同じように白い肌の木材だとヒノキやヒバ、キリなどがありますが、ここまで明確な白さが現れている木材は他にないと思います。

さらにこの裏板、実は2枚の板を貼り合わせています。
幅1〜2mmの柾目に沿って慎重に割った板を貼り合わせる、まるで一枚の無垢板のように仕上げることで
幅の狭い白太の板を有効活用しています。
shinbokuの製造・運営会社である大榮木工が創業以来培ってきた木材加工技術が成せる技です。